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コモン・共同体 2022年

2022年
W1800 H2000PVCにアクリルペイント 綿を充填

幼い頃の私は昆虫少年だった。カブト虫、クワガタ、カミキリ虫、最大の目当てはピカピカの「玉虫」だ。

虫達が住む、雑木林の隣に、小さな工場があった。辺りには、熱で溶けてぐちゃぐちゃになったプラスチック廃材が、そのままゴミとして野に置かれていた。その中に、マキグソ(汚くてごめんなさい)の型をした二十センチくらいの皿状の塊があった。それを持ち帰った。昆虫少年は、ゴミ少年になった。

当時住んでいた、父の社宅のせまい庭のプラスチックのマキグソインスタレーション。樋の雨水が地面に落ちるあたりに、母がぽつんと一つ置いた。雨に濡れて透明度が増してとても綺麗だった。雨上がりに日が差すとキラキラと光っていた。

一九六三年生まれの私にとって「明日」とは「、新しい日」のことだった。

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